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tottoto lib

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フェルミ分布関数と階段関数

物理学 統計力学

Fermi-Dirac分布関数と階段関数の関係についてまとめます.


Heavisideの階段関数と他の階段関数

階段関数として有名なものにHeavisideの階段関数というものがあります.これを H(x)と置くと

\begin{align}
H(x) = \begin{cases}
1 & x > 0 \\
0 & x < 0
\end{cases} \label{eq:Heqviside_step_function}
\end{align}
と定義されています.ここで x=0 での値は定義されていません.

特に名前は付いていませんが, x=0でも値を定義した階段関数を考えることが出来ます.
例えば値 zを取る関数を H_{z} (x)とすると

\begin{align}
H_{z}(x) = \begin{cases}
1 & x > 0 \\
z & x = 0 \\
0 & x < 0
\end{cases} \label{eq:z_step_function}
\end{align}
と定義することが出来ます.
特に H_{1}(x)は単位ステップ関数と呼ばれています.

Fermi-Dirac分布関数

所で,物理学にFermi-Dirac分布関数(以降,フェルミ分布関数と書きます)というものがあります.これを f(\epsilon)と置けば

\begin{align}
f_{\text{FD}}(\varepsilon) = \frac{1}{ \mathrm{e}^{\beta ( \varepsilon - \mu ) }  + 1}
\equiv
f(\xi) = \frac{1}{ \mathrm{e}^{\beta \xi  }  + 1}
\end{align}
と定義されます. \beta \beta = 1 / k_{\text{B}} Tで逆温度と言われます.
また,引数を \xi = \varepsilon - \muにして関数fを定義し直しました.

絶対零度でのFermi分布関数

この関数において絶対零度極限 T \to +0を取ると beta \to \inftyとなるので,
引数 \xiの符号で関数の挙動が大きく変わります.

 \xi > 0のときは

\begin{align}
f(\xi) = \frac{1}{ \mathrm{e}^{\beta  \lvert \xi \rvert  }  + 1}
\to
\frac{1}{ + \infty  + 1} = 0
\end{align}
となり, \xi < 0のときは

\begin{align}
f(\xi) = \frac{1}{ \mathrm{e}^{ - \beta  \lvert \xi \rvert  }  + 1}
\to
\frac{1}{ 0^+  + 1} = 1
\end{align}
となります. \xi = 0のときは明らかに

\begin{align}
f(\xi) = \frac{1}{ \mathrm{e}^{ 0  }  + 1}
\to
\frac{1}{ 1  + 1} =  \frac{1}{2}
\end{align}
となります.

結果

以上よりFermi分布関数は絶対零度において,階段関数H_{1/2}(x)を用いて

\begin{align}
f(\xi) = H_{1/2}(-\xi)
\end{align}
と表現できることが導けました.

参考書

フェルミ分布関数について詳しくは統計力学の教科書を参考にして下さい.
rwilyp.hatenablog.com